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ビギナー向け カブト&クワガタ飼育ガイド

菌糸ビン(ボトル)の詰め方

初心者でもできる簡単な菌糸ボトル作成

クワガタ飼育をしていると、菌糸ボトルを使うことになりますが、購入していると結構高いものもありますし、独自の添加剤を加えて大型を狙ってみたい!!という人も居るのではないでしょうか?

本格的に飼育されている方は、菌糸ブロック崩し用の網やボトル詰めに使うプレスなどの特殊な道具を使って詰めておられますが、ここは初心者が一般家庭にある物を使ってお手軽に菌糸ボトルを作成する方法を紹介していきます。

まず、用意する道具は以下です。

●家庭用ゴミ袋(新品)

●割り箸(新品)

●使い捨てゴム手袋

の3点です。

これならどこの家庭にもありますよね?

ごみ袋と割り箸は必ず新品を使ってください。雑菌が混入するのを防止するためです。

使い捨てゴム手袋はもしかしたら家にはないかも知れませんが、スーパーで安く販売していますし、
スーパーで生ものを入れるために用意されているロール状に巻いた袋を少し多めに貰ってきても大丈夫です。
詰め具合にもよりますが、3500ccのブロックを2個用意した場合、800ccのボトルを7-8本作成できます。

ボトルは新品で購入した物なら洗浄はしなくても大丈夫だと思いますが、中古で購入した物は、台所用のスポンジで綺麗に洗浄して乾燥させ、アルコールを霧吹きで掛けて消毒した方が安全です。

アルコールがない場合は、台所用の除菌スプレーでも代用できます。

では、早速作業開始ですが、菌糸ブロックの上のフィルターが付いた部分をハサミで切り落とし、袋にハサミを入れて手で袋を開きます。

ブロックを立てた状態で、対角線の袋の端に切り目を入れて開くと簡単に開くことができます。

☆開封前の注意
送付にて送られてきた菌糸ブロックや店頭で冷蔵庫に入ってある菌糸ブロックは丸1日程度18~26℃にて保管してからご使用ください!

白い菌糸の皮で覆われていますので、この白い部分を取り除いて行きます。

勿論、ここからの作業は菌糸に直接手で触れる作業になりますので、使い捨てゴム手袋を付けて作業し、雑菌が混入しないようにします。

使い捨てゴム手袋がない場合は、スーパーの生もの入れの袋などを多めに貰ってきて、雑菌が菌糸に触れないようにひっくり返して、袋の内側が菌糸に触れるようにして使ってください。

まずは、上の面を綺麗に剥がします。

上の面は菌を打ち込むために、2~3個の穴が開けられています。

ここは中まで白く発菌していますので、綺麗に取り除いてください。

次に側面と底面の全ての菌糸の皮を取り除きます。

左画のように手で簡単に取れます。
最初に用意したゴミ袋を敷いて作業すると、床を汚すことも少なくなります。
皮むきが完了すると、右画のような状態になります。この状態になったら、ブロックをゴミ袋の中に入れます。

撮影の都合で片手しか写っていませんが、両手で崩していってください。

あまり完全に崩しきらなくても大丈夫です。

というのは、ボトルに詰める際に再度手で解しながら入れていくので問題はないのです。

添加剤を加えるという方は、ゴミ袋に手を入れて綺麗に砕いて、添加剤を良く混ぜてください。

添加剤はトレハロースや小麦粉を入れるのですが、1~5%の割合で入れてください。
初心者は入れない又は少なめにしてください。

ここまで出来れば、詰める準備は完了です。

さて、ここからボトルにつめていきますが、ゴミ袋を広げて手を入れて細かく解しながらボトルに菌糸を入れます。

半分くらい投入した時点で、手をボトルに入れて指で周辺をきつめに押さえて詰めて行きます。 周辺に力を入れて詰めて行くのは表面からの劣化を抑えるためです。
中央は空気溜まりを作るために、あまりきつく詰めすぎない方が良いです。
通気穴をあける方法もあります。

この作業を3-4回繰り返すと、ボトル一杯に菌糸を詰めることができます。
このように詰め込みが完了したら表面をならします。

上記までの工程でも完成ですが通気穴を開けた方が発菌が早く失敗も少ないです。
通気穴を開ける場合は割り箸を中央に刺して、ボトルの半分位まで挿します。中まで入ったら、割り箸を入れたまま、周辺を手で押さえて菌糸を詰めます。

穴あけ作業の結果、表面がちょっと綺麗ではありませんが、気にすることはありません。

綺麗にしたい場合は、通気穴のサイズの棒を用意して表面をならしたあとに棒をそっと抜くと綺麗に仕上がります。

あとは、蓋をすれば出来上がりです。

詰めたあとが肝心です!
詰めたからといってすぐには使用できません。
必ず18~26℃にて7~10日程度保管し周りが白くなるまで放置してください。
この時に16℃以下で保管するとキノコが出てきてしまったり白くならなかったりする場合があります。
また高温すぎるとカビが発生したり腐ったりする場合もあります。
ご注意ください!!

右画のように白くなればOKです。

1週間以上経過して白くならなかったりカビが発生してしまった場合は残念ながら失敗です。
その場合は幼虫の投入をお控えください。

まとまった数量を詰める場合の手順

まとまった数量を詰める場合は専用の道具を使うと便利ですが(「ブロック崩し 3点セット」という便利なアイテムもあります)

安価でそろえる場合は
ホームセンターでよくある衣装ケース
焼き肉用の網
ぱん切りナイフ
ゴマすり棒

でも代用できます。

パン切りナイフで
皮を剥ぐ

焼き肉用の網で
ブロックをこすりコンテナボックスへ落とす

ビンに入れて
ゴマすりで押し込む

繰り返し詰め終わったら最後は指で押さえつける。
このビンの肩口を押さえ込む作業を怠ると劣化が早くなります。

通気穴はなしでも
鉛筆でも
割り箸でもOK

後は蓋を閉めて発菌が完了するまで放置します。
(保管温度等は上記に記載してあります)