ビギナー向け カブト&クワガタ飼育ガイド

菌糸(菌床)とは

クワガタ飼育に欠かせない菌糸の説明

クワガタ飼育用の菌糸とは
クヌギ、コナラ、ブナ、エノキなどの広葉樹に白色腐朽菌を植え付け培養した物で クワガタの幼虫は白色腐朽菌で腐敗(分解)した木とそこに繁殖したバクテリアを食べ 成長します。これを強制的に再現したものが菌糸です。
白色腐朽菌とはキノコです。

菌の種類

クワガタ飼育に使用する菌糸には大きく分けてオオヒラタケ・ヒラタケ・カワラタケの3種類あります。
一般的には生オガ(広葉樹)にキノコの菌を植え付け培養させた物で食用のキノコ栽培方法を利用しクワガタに合うキノコの種を植えつけた商品です。

大きく分けた3種類の中でも数十種の種類があり同じ菌の名前でも特性が変わる場合があります。
(お米などと同じでササニシキやコシヒカリなど味・ツヤが多少異なり栽培適用温度も変わります。)

オオヒラタケ菌は高温度差で茸(キノコ)が出やすい性質で扱いにくい菌種ですがクワガタの種によっては大型が突然出る場合があり人気ですが生殖障害を起こす場合もあるようです。

ヒラタケ菌は温度にある程度耐え扱い易く一般的です。
(オオクワやヒラタ系にはこの菌がお奨めです。)

カワラタケ菌はアフリカ産や一部のオセアニア地方のクワガタ種の幼虫飼育に良く合います。
またほとんどの種の産卵床に最適となりますが幼虫飼育には不向きな種が多いので特殊な菌になります。
またわざと劣化(古く)させミヤマ系に使用する方法もあります。
カワラ菌は白カワラ・カワラ・黒カワラの3種類に大きく分けれます。
白いほど扱い易く安価ですが黒いほどカワラ菌適応種に効果があります。

自然界ではクワガタはバクテリアや菌などが食べ腐敗した朽ちた木を食べて育ちます。
クワガタは腐敗した木とそこに繁殖したバクテリアや菌を食べ大きくなります。
完全に殺菌処理した朽ち木などでは大きく育ちません。
そこでクワガタが通常では食べれない生のオガ(生木)にキノコ菌を植え付け菌とバクテリアを繁殖させたのがクワガタ飼育用の菌糸です。

菌糸ボトル(ビン)1次菌と2次菌の違い

1次菌(1次発菌)ボトルは一発ものと呼ばれ機械のプレス機でオガを詰め殺菌後に菌を植え付け菌を繁殖させた物を言い、長持ちしますが水分が多く蛹室が潰れたりバクテリアが少ないので消化不良を起こしたりします。
しかし大量生産が可能で安価です。菌糸ブロックも1次菌になります。

2次菌(2次発菌)ボトルは1度発菌させた菌糸ブロックを崩しボトルに詰め再度発菌させた物を言い 持ちは1次菌に劣りますが再発菌により菌に張りが出来、一度空気に触れさせた事によりバクテリアが増繁殖しますのでクワガタ飼育には最良です。
また崩した時に添加剤を加える事が可能でさらに高栄養になります。
2次菌には手詰めとプレス機の2種類がありますが手詰めは微妙な強弱で空気層が作れ蛹室の破損などは軽減されます。
しかし手間がかかるので高額な商品が多いです。

一番菌や2番菌などは菌の培養回数でキノコ胞子種を培養させた物が1番菌と言い1番菌を更に培養させたのが2番菌、更に2番菌を培養させたのが3番菌と続きます。
一時期流行ったヨーグルトキノコ菌も同じ要領で培養を続けると菌が痛み発菌が悪くなりカビや育成障害になります。
粗悪な商品は16番菌まで使用している場合があります。安価な機械詰め商品にはご注意ください。

菌糸の水分量

菌糸の水分は基本的には容量に対しての量になりますが、キノコメーカーにより異なる場合があります。
水分量は限りなく少ない方が理想ですが少ないと菌が発菌しにくいので50~60%程度がクワガタ用菌糸の主流になっています。
菌が強い場合は水分が少なくても発菌しますので菌に自信がある菌糸メーカーは45%程度にて製作します。
水分が多いのはキノコ栽培には適しますがクワガタの幼虫飼育には不向きです。

新鮮な菌糸ブロックでパサパサに感じる商品は水分が少なく、崩して詰めた時に水分がにじみ出るものは水分が多くお奨めできません。
(乾燥させて使用したり加水しての使用は絶対にしないでください。)

菌糸の使い方

買ってきた菌糸や通販で買った菌糸は振動や温度変化で活発化していますので飼育する環境に1~2日程度保管してから幼虫を投入するのがベストです。
大きいボトルは発菌ガスが底に溜まっている場合がありますのでヒックリ返して温度を馴染ませると良いです。
菌糸ブロックは18~24度程度の温度に馴染ませてから崩すと発菌も早く夏場や冬場は特に温度管理にご注意ください。

菌の扱い方や良し悪しの意見は使用者により正解が異なる場合が多く季節や生産時の湿度などにも左右されます。
(活きた生ものですので夏の椎茸と秋の椎茸の旨味が異なるのと同様です。)

菌糸のご使用法(管理温度等)や適合種は菌の種類、オガ(材)の種類によって多少異なります。
ご購入のショップ等で確認してからのご購入をお奨めします。